初めてスペインを訪れたのは、今からちょうど30年前。
私は大学3年生でした。

高校時代の友人がスペイン留学をしていて、
彼女を頼りに、バルセロナとマドリッドを旅しました。

当時はまだ携帯電話もなくて、
『地球の歩き方』のような重たい旅行本を片手に、
街を歩き回っていました。

今でもふと、マドリッドでのある出来事を思い出します。

夜のスペインの街は気をつけて

その頃のスペインの街は(今もそうなのかはわかりませんが)
「スリが多いから気をつけて」と言われていて、
夜はなるべく貴重品を持ち歩かないようにしていました。

そんなある日、
「フラメンコを観に行こう!」と友人と3人で出かけることにしました。

パスポートやカメラといった貴重品は、すべてホテルに置いて。

格式あるタブラオへ

向かったのは、知る人ぞ知るフラメンコの名店
Corral de la Morería

予約もしていなかった私たちに、
お店の人はにこやかにこう言ってくれました。
「こんな可愛い子たちを、追い返すわけにはいかないよ」

そうして、温かく迎え入れてくれたのです。

初めて間近で観るフラメンコは、言葉を失うほどの迫力でした。

情熱的で、どこか憂いを秘めていて。

その中でも、ひときわ美しいダンサーに、私は目を奪われました。

こんなに美しい人を、私は初めて見た。

残念なことにカメラは持っていなかったので、
その姿を必死に目に焼き付けました。

ホテルに戻り、
記憶が薄れないうちに、
ノートに彼女の似顔絵を描きました。

似顔絵をこんなふうに描いたかな?というイメージ図

そして、ふと手元にあった旅行本を手に取ると・・・

なんと、その表紙に
彼女の写真が載っていたのです!!!

思わず飛び跳ねて喜びました。

その旅行本は、今でも捨てられず、手元に残っています。

皆さまにも、
捨てられずにずっと残っている旅の一冊はありますか?

私を魅了した女性はこの方です

奇跡的な偶然が再び訪れます

時は流れ、2025年のある日のことです。

Instagramを眺めていると、
見覚えのあるフラメンコの舞台が目に飛び込んできました。

なんと、あのお店の公式アカウントのリールだったのです。

私の記憶の奥底を、
見透かされたかのようです。
恐るべし、Instagram(笑)。

“corral de la moreriaのInstagram”より

30年経っても、
再び驚きを与えてくれるあの場所に、
生きているうちにもう一度、行ってみたくなりました。

あの麗しきダンサーの女性を訪ねて。

フラメンコダンサーイメージ図2